第276回

近い将来、住宅購入するための貯蓄計画とは?

3~5年以内に3000~4000万円くらいの住宅を購入したいと考えています。それまでどのように貯蓄したらいいでしょうか?また、住宅ローン選びのポイントを教えてください。(Mさん 30歳 会社員)
人生で一番大きな買い物とも言われる「住宅」、堅実な資金計画の下に実行したいものです。今後のライフプランも踏まえながら、必要な金額を確実に準備していきましょう。住宅ローンは「金利タイプ」「ローンの条件」「使いやすさ」がポイントです。

自己資金の目安は住宅価格の25~30%

住宅購入の際に準備しておきたいのは、頭金と諸費用です。 頭金がゼロでも借りられるローンはありますが、その後の返済計画がぐっと楽になるので、 なるべく多く用意したいものです。目安は住宅価格の20%以上。諸費用は保証料や登記費用など、 個別の事情にもよりますが、住宅価格の5~10%あると安心です。もし3500万円の家ならば、約900~1000万円の自己資金を準備できるのが理想です。

給料天引きのできる財形住宅貯蓄や自動積立預金などを利用して、確実に貯めていきましょう。 これはリスクのとれない資金なので、基本的に運用には向きません。 けれど少しでも増やしたいならば、ネット銀行の定期やMMF、個人向け国債(変動型)など、安全性と流動性第一の金融商品で考えましょう。

住宅ローン選びのポイント

ローンを組む際には、固定や変動といった「金利のタイプ」、保証料や団体信用生命保険料の扱いなどの「ローンの条件」、 審査や申込手続き、繰上返済方法などの「使いやすさ」の3点をチェックします。

特に重要なのが「金利タイプ」の選び方。目先の数字だけで決めるのではなく、その後の家計の余裕度やライフプランなども考え、 総合的に判断します。現在のように、金利が上昇しつつあるような状況であれば、フラット35など完全固定型を中心に考えるのが無難でしょう。 インターネットリサーチ会社のマイボイスコムが2007年4月に実施したウェブアンケート(『住宅ローンの利用』第4回)によると、 新規借入の場合も、借換えの場合も、完全固定型がそれぞれ35.4%、38.2%と最も多くの支持を集めています。

現在は多種多様な住宅ローン商品が存在するため、自分にとって最適なローンを見つけるのは大変な作業になりました。 イー・ローンのサイトでは、希望条件を入力して、条件に合った商品の検索をすることができますし(モンスターナビ)、 住宅ローンの返済シミュレーション機能も充実していますので、商品の絞込みや仮申込にぜひ活用してみてください。 また、モーゲージ・ブローカーや住宅ローン・アドバイザーなどの専門家から、相談サービスの提供を受けるのも良いでしょう。

私が書きました

神田 理絵 (かんだ りえ)

ファイナンシャル・プランナー、住宅ローン・アドバイザー、心理カウンセラー。

大学卒業後、大手総合商社へ入社し、貿易事務に携わる。その後、税理士事務所、社会保険労務士事務所を経て2005年に独立。現在は生命保険や住宅ローンの見直し、資産運用に関する相談や、各種マネーセミナー、FP資格取得講座の講師、コラムの執筆等で活躍中。大人だけでなく、小学生向け金銭教育活動にも力を注いでおり、首都圏を中心に、今までの実務経験と女性の感覚を生かした独立系FPとして活動中。

※執筆日:2008年07月31日