第262回

カードローンで借りたお金の返し方

今年、入社したばかりの新入社員です。新生活をはじめるのにあたって何かと物入りで、ゴールデンウィークのレジャー費用も工面しなければなりません。それで、カードローンで30万円ほど借りようと思っています。借りたお金はどう返していけばいいでしょうか?ちなみに、手取り月給は約17万円です。(神奈川県・MAさん23歳・会社員)
社会人になったら、将来への備えとして手取り月給の10~20%は貯蓄に回したいものですが、MAさんのようにカードローンを利用するつもりの人は返済を優先したお金の管理が必要です。そのお金をどう返せばいいか考えてみましょう。

手取り月給の20%程度を目安に返済を

借りたお金は、金額は同じでも毎回の返済額を少なくすると、利息を含めた返済総額も多くなります。 ですから、毎回の返済額を多くして、早く返済を終わらせるのが鉄則。とはいえ、返済額を多くしたためにお金が足りなくなり、また借り入れをするのは借金体質を作りかねないので危険です。やはり、無理のない返済計画を立てることが大切です。 では、返済額はどれくらいが妥当でしょうか?手取り月給の20%程度を目安にするといいでしょう。貯蓄に回す分で返済するという考え方です。 もちろん、自宅通勤で家にお金を入れなくてもいい人や、しばらく免除してもらえる人は、返済割合をもっと多くしてもかまいません。

では、30万円を借りた場合の具体的な返済例を、大手消費者金融会社の返済早見表で見てみましょう(借入利率:年18%、35日ごとに返済)。

返済期間 返済回数 各回返済額 返済総額
1年以内 10回 33,000円 329,141円
2年以内 20回 18,000円 356,809円
3年以内 30回 13,000円 385,927円
4年以内 38回 11,000円 408,970円
5年以内 51回 9,000円 450,401円

MAさんの手取り月給は約17万円とのこと。20%の34,000円は返済に回せることになます。毎回、この金額を返済すれば1年以内に返済を終了できます。

随時返済を行って早く返し終えて

カードローンの返済方法はリボルビング返済が一般的で、毎回一定額を返済していく「定額リボルビング方式」と、残高の増減に応じて返済額も増減する「残高スライド方式」が代表です (詳しくは第222回「あなたに合ったカードローンの返済方法は?」参照)。 どちらの返済方式も、毎回(または毎月)の返済額の最低金額は決められていますが、それ以上の金額なら自由に設定できるカードローンもあります。MAさんが借りようと思っているカードローンがそのようなタイプなら、毎回の返済額は手取り月給の20%程度にしましょう。

いずれにしても、余裕のある月やボーナスで少しまとまったお金を手にしたときは随時返済(一部を繰り上げ返済すること。 詳しくは第252回「カードローンの繰り上げ返済で注意することは?」参照)を行って早く返済し終えるようにしましょう。 そして、返済が終わったら、その分は貯蓄に回すようにし、次回にカードローンを借りる際には、貯蓄と併せて計画的に利用できるよう心がけましょう。

私が書きました

小川 千尋 (おがわ ちひろ)

ファイナンシャル・プランナー。

1994年ファイナンシャル・プランナー資格取得。資格取得後、以前から携わっていた出版物の編集・執筆の経験を活かし、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、マネー誌や一般誌、新聞、ウエブサイトなどのマネー記事の編集・執筆・監修などの執筆関連業務および個人のライフプランなどの相談業務、セミナー講師として活動。

※執筆日:2008年04月24日