第226回

金利上昇期の住宅ローン選び

新築マンションの売買契約を結びましたが、3年固定の提携ローンを勧められています。金利が上がりそうだし、固定金利期間が長い方がいいのかなと思っていますが、どうでしょうか? なお、妻はパートで働いていて、小3と小1の子供は中学から私立に進ませたいと考えています。(神奈川県・YSさん35歳、会社員)
金利上昇期は固定金利型か長期の固定金利選択型が基本です。また、将来的に教育費がかかるので、途中で返済額の上昇の可能性の少ないタイプの方が安心度は高いといえます。

金利上昇期は固定金利を基本に

参議院選挙も終了し、これから本格的に金利が上がるのではないかと見ている人も少なくありません。YSさんも金利の上昇を予想されているのですね。

預金だと、金利上昇期には変動金利型、金利下降期には固定金利型、というセオリーがあります。住宅ローンはどうかというと、預金の逆で、金利上昇期で金利がまだ低い時期は固定金利型、金利下降期は短期の固定金利型変動金利型を選ぶのが、セオリーとされます。

今の状態を、これから金利がさらに上がっていく段階と見るのであれば、やはり基本的に、住宅ローンは固定金利型を利用するといいでしょう。今後の金利上昇によって返済額が変わるという影響を回避することができます。

しかし、返済期間は長いので、金利が上がる時期もあれば、下がる時期もあります。予想と違った動きをすることも少なくなく、誰も正確に読むことはできません。また最近は、全期間を通して使える優遇金利があるローンも増えていて、最終的に固定金利が有利になるのか、ひょっとしたら3年固定などを利用した方が有利になるのかは、返し終えてみないとわからない。そう主張される、反セオリー派(?)にも一理はあります。

ただ、前述のように、短期の固定金利選択型や変動金利型の場合、金利の変動によって返済額が変わることを覚悟する必要があり、多少の返済額のアップでも吸収できる家計のゆとりがないと、リスクをとることはできません。

ローンの組み方・返し方のポイント

特に、将来的に子供の教育費がかかることがわかっているYSさんのような世帯では、途中の返済額のアップがない方が安心度は高いといえます。

子供の教育費で、私立の期間は、年間100万~150万円を見込む必要があります(教育費・関連費。習い事なども含む)。しかも2人分ならその倍です。それだけ家計に乗ってくる状態が、その後、下のお子さんが大学を卒業するまでの12年間続くのです。

そう考えると、YSさんの場合、住宅ローンは返済が変動しないで、できるだけ長期間固定になるタイプが向くといえるでしょう(2人分の教育資金を支払ってもゆとりがあれば別ですが)。

将来に教育費がかかる世帯は固定金利が安心度は高い

YSさんの場合、返済期間を最長の35年にして、しかも、全期間固定金利型にするのが最も安心できる借り方といえます。その上で、教育費の負担が大きくなる時期に備え、ゆとりがある間に繰上返済を行うとよいでしょう。

ローン商品としては、各行・各社のフラット35のほか、横浜銀行「<はまぎん>住宅ローン(超長期固定金利型35年)」中央三井信託銀行「中央三井の住宅ローン(35年金利コース)」などが金利も低めで要チェックでしょう。

なお、繰上返済の仕方は、当初は「返済額圧縮型」で行い、教育にめどがついてからは「期間短縮型」で行うと、教育費のピーク時の影響を抑えることができていいでしょう。あるいは、固定金利型の住宅ローンを元金均等返済にするのも1つの方法です。

私が書きました

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豊田 眞弓 (とよだ まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。

20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。

※執筆日:2007年08月02日