第219回

個人で不動産担保ローンを利用するには

不動産担保ローンは、個人でも利用することができますか?また、個人が利用する場合には、どのような利用方法があるのでしょうか?
不動産担保ローンは、個人でももちろん利用できます。また、資金使途は特に制限がないため、住宅購入や教育費のためや、現在借入れ中のものをまとめて借り換える(おまとめローン)ことも可能です。

不動産担保ローンの特徴

不動産担保ローンは、土地や建物を担保にすることにより、カードローン等の無担保のローンよりも比較的低金利で借入れができるものです。資金用途に制限がないため、個人事業主の方がビジネスのために借入れる他、一般の個人の方が住宅購入や教育費、自動車購入などのために借入れすることも可能です。
その他、借入れ可能額の上限が大きいこと、返済期間が長く取ることができるという点も無担保のローンと異なる点です。借入れ可能額が大きいことから、おまとめローンにも利用することができます。

<例>300万円を借入れした場合

無担保ローン 金利9.8%、返済期間5年とすると
毎月返済額 63,446円 総返済額 約381万円
不動産担保ローン 金利8%、返済期間10年とすると
毎月返済額 36,398円 総返済額 約437万円

例えば、複数の借入れを1つにまとめる場合など、借入れ金額が大きくなりがちですが、返済期間が長く取れれば、上記のように毎月の返済額も少なく抑えることができ、返済計画も立てやすくなるでしょう。ただし、返済期間が長くなれば、金利は低くとも総返済額は大きくなってしまいますので、余裕のあるときには繰上返済を行うなど、総返済額を抑える工夫は必要です。

不動産担保ローンの比較検討

不動産担保ローンの場合、仮審査などに3日程度要することが多いので、日数には十分に余裕をみておきましょう。また、担保内容によっても金利が異なることもありますので、時間があれば数社に審査を依頼し、少しでも有利な融資条件のものを利用すると良いでしょう。
イー・ローンには"不動産担保ローンの一括申込みサービス"があります。エリアや担保不動産の種類、希望金額を入力すると、借入れ可能な金融機関が表示され、複数ある場合には、一括して申込みをすることができます。

不動産担保ローンは、無担保ローンと比較すると、不動産という担保がある分、収入面での審査は、緩やかな傾向にあるようです。ただし、不動産が担保になっているということは、返済ができなくなれば、その不動産を手放す可能性もあるということ。借り入れについては他のローン同様、無理なく返済できるかどうかを十分に検討しましょう。

私が書きました

高田 晶子 (たかだ あきこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引主任者。

1985年東京女子大学卒業後、信託銀行入社。不動産業務に従事。その後、不動産コンサルティング会社を経て1996年に独立、(有)ケー・アンド・エム コンサルティングの設立に参画。目白大学エクステンション講座をはじめ各種セミナー講師や、相談業務、マネーコラム執筆等を中心に活動。

※執筆日:2007年06月12日