第208回

不動産担保のビジネスローン

個人事業主で、ビジネスローンを検討しています。住宅があるので、不動産を担保にビジネスローンを検討したいと思っています。不動産担保のビジネスローンには、どのような特徴がありますか?(東京都・MMさん)
ビジネスローンの中には、無担保で借りられるローンと、有担保のローンとがあります。有担保ローンの代表例が不動産担保ローンです。 不動産担保のビジネスローンは、文字通り、不動産を担保にして借りるローンです。「不動産」としては、土地や土地付建物、マンション等が該当します。

ご質問いただいた、不動産担保のビジネスローンの特徴についてですが、まず、無担保のビジネスローンと比べたときに、金利が低めで利用できる点が挙げられます。また、担保がある分、高額の借入(ただし担保評価に応じて上限あり)も可能で、最長返済期間も10年、25年など長く設定することができます。また、金融機関にもよりますが、担保がある分、本人の審査はややゆるめの傾向があります。ただし、不動産に抵当権を設定する必要があるため、登記設定費用がかかるほか、借入実行までの手続きの時間も、無担保ローンよりもどうしても長めにかかってしまう点に注意しましょう。

不動産を担保にしたビジネスローンの特徴

  • 比較的金利が低め(ただし、登記設定費用がかかる)
  • 高額の借入が可能(担保評価に応じた上限あり)
  • 最長返済期間が長い
  • 担保がある分、やや審査がゆるめ(金融機関で異なる)
  • 不動産に抵当権を設定する必要があるため借入実行までの時間がかかる

また、担保にする物件に残債がある場合は、借りられない、あるいは希望額が借りられない場合があることにも注意しましょう。

MMさん、ビジネスローンを借りる際には、事業計画をしっかり見極めて、売り上げ予想などから返済が成り立つことをご自身でも確かめて、借りることをお忘れなく!

不動産担保で借りられるビジネスローンの例

しんわ「不動産担保ローン」
借入可能額 最高5,000万円
金利 固定金利 7.0% ~ 18.0%(事務手数料、解約手数料等なし)
期間 最長10年
申込み資格 営業エリア内に事業所(法人の場合は本店所在地)もしくは住所を有する法人または個人事業主(企業規模・事業年数不問)
担保 要。不動産に抵当権(根抵当権)を設定。
保証人 原則不要。
資金使途 使途は自由。経営者の幅広い資金ニーズに対応可。
ファーストクレジット「個人事業主・法人向け不動産担保ローン」
借入可能額 300万 ~ 1億円
金利 固定金利 7.800% ~ 9.840%
(手数料を含めた実質年率7.96%~15%)
期間 最長25年
申込み資格 ・法人、個人事業主(20歳以上70歳未満で定期的収入のある方)
・不動産(土地・土地付建物・マンション等)を担保提供できる方
担保 要。不動産に抵当権(根抵当権)を設定。
保証人 不要。ただし、法人契約の場合は代表者の連帯保証が必要
資金使途 事業運転資金から設備資金まで

私が書きました

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豊田 眞弓 (とよだ まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。

20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。

※執筆日:2007年03月22日