第194回

年末は銀行系おまとめローンで乗切る

年末の出費に備え、ローンをまとめて効率的にできる方法は? 年末はいろいろな出費がかさむ時期。今ある複数のローンを効率的に返済してうまく乗り切りたいのですが、何かいい方法はあるでしょうか?(34歳、会社員Tさん)

複数のローンを一つにまとめて借換えし、より効率的に返済するには「おまとめローン」の利用が考えられますが、最近は、銀行で取り扱われる商品も増えてきました。

銀行のおまとめローンの主な特徴は、金利が比較的低めなこと、返済ルートが自分の口座からの自動引き落しや提携ATMからの返済など多様化していること、繰上返済がしやすく手数料も無料が多いことなどがあげられます。

中でもおまとめローンで特徴的な銀行をいくつかご紹介しましょう。

オリックス信託銀行の「BANKアシスト」

金利は固定で年利11.5~14.5%。借入上限も500万円と比較的枠が大きく、期間も最長8年間という長さで、ボーナス返済併用も選べるため、比較的自分のペースで返済していくことができる商品です。借入時に事務手数料が5250円かかりますが、一部繰上返済が手数料無料でできるほか、なんと団体信用生命保険がついて、その保険料が金利に含まれているので、返済者にとって安心感があります。

なお、おまとめローンへの借換えの例は以下があげられます。

<現在の複数のローン>
A社: 借入残高100万円/残り期間6年/年利:25.55%  ⇒ 毎月返済27,276円
B社: 借入残高100万円/残り期間5年/年利:27.375% ⇒ 毎月返済30,760円
C社: 借入残高 50万円/残り期間4年/年利:17.52%  ⇒ 毎月返済14,562円
                                 合計 毎月72,598円

↓これを「おまとめローン」(BANKアシスト)へ借換えが可能なら

↓(試算はイーローンのローンシミュレーションやオリックス信託銀行のサイトより)

<借換え後>
借入250万円/返済期間6年/年利:13.00% ⇒  毎月返済50,185円
                             (-22,413円のマイナス)
または、上記の借換えで100万円分をボーナス返済にすると ⇒ 毎月30,111円
                             ボーナス月が152,679円

となります。

これによって、毎月の返済に余裕が生まれ、しかも複数のローンがあるときに比べると、月1回の返済になるので、煩雑さもなくなります。

泉州銀行「せんぎんモビットフリーローン」「せんぎんモビットキャッシング」

金利は固定で15.0% ~ 18.0%。借入額が多いほうが金利が低く、100万円未満なら年18%、100万円以上なら年15%が適用されます。期間は「せんぎんモビットフリーローン」で最長7年、「せんぎんモビットキャッシング」では1年更新。「せんぎんモビットフリーローン」は、ボーナス返済も併用でき、繰上返済は全額でも一部でも手数料無料で、やはり長期間マイペースで返済しやすい内容になっています。
返済には、泉州銀行の普通預金口座が必要なので、もし口座がない場合は来店または来店せずにダイレクト支店を通じて口座開設をすることになります。その分日数はかかりますが、従来のローンの借換えなので、手続きは日程をあらかじめ確認しながら早め早めに行動していくことが大切でしょう。

私が書きました

吹田 朝子 (すいた ともこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、企業福祉管理士。

1989年一橋大学卒業後、生命保険会社に入社し、企画・予算管理を経て1994年に独立。TV「発掘!あるある大事典」「株式ワイドオープニングベル」などにも出演。「ステキなマネープランニング(ハルアンドアーク出版)」など著書多数。相談業務、セミナーなどでも活動中。

※執筆日:2006年12月04日